JUCO:アメリカ大学最大のチャンス!
短期大学アメリカサッカーシリーズ
短期大学サッカーシリーズ、第1話:短期大学とは?
誰でも入学できる短期大学:
アメリカサッカー留学には日本人にとっては最大のチャンスといっていいPathway (道のり)があります。それは短期大学です(JUCO, Junior college の略)。
短期大学の最大のメリットは英語能力がなくても大学に入学できるということです。4年生大学に入学するためには英語のテスト、大学入学テスト、高校の成績など、様々なハードルがあります。ある特定のスコアを満たさない場合は入学はできません。これはアメリカ人も同様です。しかし、多くの短期大学は誰でも入学できます。高校を卒業している限り大学の入学は認められます。
また、英語の能力が低くても、ESL(English as second language)、要するに英語強化クラスが各大学にあります。これらの条件で入学は極めて簡単なため多くのインターナショナルの学生さんが多いのが短期大学の特徴。
サッカーでもお金が出る世界:
短期大学のサッカーでのScholarship (奨学金返済不要)はなんと18人分です!
ほぼ全選手が無償で短期大学に通えるということです。さらに、短期大学は学費が年間30−100万円と比較的手の届く金額であるため、魅力的なオプションと知られています。もちろん、各大学によって予算は異なる場合もあるため、資金力のある大学の方が多くのスカラーシップを提供できます。そしてアメリカの短期大学のサッカー部の数はおよそ300校以上!アメリカでサッカーを使い無償で大学に通うチャンスは多いです。もし、日本の高校で勉強に真面目に取り組んでなかった選手がいたとしても、アメリカでサッカーするのは可能です。
短期大学のデミリット:
短期大学は入学は簡単です。サッカーのレベルも1、2年生だけなので、多くの日本人選手は活躍してます。日本でAチームで活躍が出来なかってた選手でも、アメリカ短期大学では中心選手として活躍。日本人選手は圧倒的にサッカーの練習時間がアメリカ人選手より多いです。また、戦術的な知識が豊富なため、多くのアドバンテージを持っています。しかし、短期大学の落とし穴があります。それは編入です。入学が簡単のため、短期大学の卒業が長引く選手が多いことがあります。まともに勉強を高校でしなかった選手にとって勉強とスポーツを両立するには時間が必要です。文武両道に慣れてない選手は短期大学を3年かけて、卒業する場合もあります。短期大学は2年間しかサッカーの活躍が認められません。そして、4年生大学に編入すると後2年しかプレーできません。もし、2年で短期大学を卒業できない場合は1年ブランク期間を過ごすことになります。高校にいる間なるべく英語力を上げることが望ましいと考えます。
次回は短期大学のリーグの紹介。非常に濃い内容なので短期大学はシリーズでお届けします。
短期大学リーグ シリーズ パート2
無限のPathway!
前回はアメリカ大学サッカー留学に最も「簡単」なオプションの短期大学のルートについて解説しました。短期大学のメリットは比較的入学条件が低くて、英語能力の水準を満たさない日本人選手にとっては可能性がある通り門として認識されている。サッカーの能力が認められると返済不要の奨学金(スカラーシップ)もあり、魅力的なオプションとして考えられる。
短期大学のサッカー部は300校以上あると言われていて、非常に多くのチャンスがある。
全米大会はあるの?
いろいろなリーグがあるの?
昇格はできるの?
どんな選手がいるの?
といった質問をこの短大シリーズで答えていきたいと思います。
NJCAA, NWAC, CCCAAという3つのリーグ!(男子版)
NJCAA (National Junior College Athletic Association)
このリーグがアメリカで最大の短期大学リーグ。Division 1 とDivision 3に分かれている。
Division 1 =スカラーシップあり。
Division 3 = スカラーシップ無し。
といった仕組みになっている。
二つのリーグに分かれているが、レベルの差は紙一重。お金が出せる大学はいい選手が集まるのが特徴。特に海外から選手を取るのがトレンド。
NJCAAはカルフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州を除いて、ほぼ全米でリーグ戦を行なっている。
そのため、全米で各地域でリーグ戦がある。
Division1 = 24区
Division 3 = 21区
に分かれている。各地域でリーグ戦が行われ、そして、決勝トーナメントを行うといって、NCAA(アメリカ大学トップリーグ)と同じ仕組み。
NWAC (North West Athletic conference)
このリーグはワシントン州とオレゴン州を主に主体としたリーグ。20チーム以上あり、リーグ戦があり、決勝トーナメント戦でチャンピオンを決める。NWACもスカラーシップが出るリーグ。しかし、インターナショナル生には今は、お金が出せない。将来的にはこのルールが変更する確率はあるが、今はない状態。気候も良い州でもあり、ESL、英語強化クラスが多い大学があり、入学しやすい大学も多い。サッカーに力を入れている大学も多いため、魅力的な場所でもある。レベルも高い。シアトルとポートランドはサッカー人気が非常に高いため、いい選手が集まるケースがある。
CCCAA (California Community College Athletic Association)
このリーグはカルフォルニア州のみの短期大学。100校以上のサッカークラブがあり、そして、カルフォルニアはメキシコ人が多くいる州でもあるため、サッカーのレベルは高い。気候もいいところ、年間を通して暖かく、生活面では最高の地域だろう。しかし、ここのリーグはスカラーシップのオファーが無いリーグ。一般の学生にたいしてもサッカーのスカラーシップはない。そのため、多くの選手はスカラーシップが出せるリーグへと行くということが考えられる。このルールも時期に変わる可能性がある。なぜかというと多くの大学は生徒を集めるため、スポーツのスカラーシップを獲得したいインターナショナルの生徒に目をつけるだろう。すでにNCAA division One (アメリカ大学トップリーグ)では、海外の選手に注目しているチームは多い。
短期大学リーグ
リーグにより、入学条件や、スカラーシップの条件などが異なるアメリカ短期大学リーグ。比較的簡単に入学できるリーグ、サッカーと学問的にも活躍できるリーグである。そして、しっかり勉強とサッカーに取り組むと4年生大学にスカラーシップ付きで編入できる可能性は大きい。しかし、甘い条件の上、短期大学へと入学がくし、勉強に力を入れない場合は編入ができなくなったり、様々なトラブルが待っている。そのため、一番理想的なアメリカ留学はある程度なオファーをアメリカに行く前に4年生大学からいただくことがいいでしょう。そのためには高校生活で「文武両道」というマインド、考えかたを持ってないといけない。
アメリカ短期大学の強豪校!Part III
NJCAA の王者 ニューヨークのMonroe college に迫る!
今回はアメリカ短期大学の強豪校を分析します。
Monroe College は2019年度に「短期大学全米優勝」を無敗で達成しました。しかも各相手に大差で勝利を収めており、圧倒的な形で優勝を収めました。
このMonroe College の強さの秘密とは?
どんな選手がいるのか?
どんな監督がいるのか?
日本人選手はいるのか?
強さの秘密 1) インターナショナルチーム
強さの秘密の一つがインターナショナル化されているチームにあると考えられます。ロスターが31名。その中でアメリカ人選手がたったの8名。
残りの選手はどこから来ているのでしょうか?
ベルギー
フランス
オーストラリア
ブラジル
インド
日本
スペイン
ドイツ
コスタリカ
といった国際的なチーム。欧州の選手または、南米の選手はおそらく各国のプロクラブのユース出身が多いのではと考えられます。情報が公開はされてないが、おそらく各国のトップレベルでプレーしていた選手であったと考えられます。日本人選手は2名 https://www.zero-00-zero.com/ からMonroe に所属しており、日本でもレベルの高いリーグで戦っていた選手であり、彼らでも一年目はなかなかレギュラーに定着出来なかった状態。これはアメリカ短期大学でも世界から実力のある選手があつまる証拠です。
強さの秘密 2) 資金力
アメリカ短期大学でもスカラーシップが与えられる制度はあると以前の短期大学シリーズでお伝えしました。実質アメリカ大学リーグの4部か5部にあたる短期大学リーグでも実力のある選手は「お金」のオファーをいただくことが可能。短期大学の一番大きななリーグのNJCCAのDivision 1のリーグでは18人分のスカラーシップが配られており、これは各大学に全て統一されており、公平な仕組みとなっている。では、この様な公平なシステムの中でなぜMonroe は強いのか?それは明らかな資金力です。どこにお金をかけているのかというとそれは監督とコーチングスタッフです。
NCAA、アメリカ大学のトップリーグの監督になるとフルタイムでサッカーの監督を務めます。また、コーチ陣もフルタイムでコーチとして勤めています。資金が有ればあるほどコーチや監督、スタッフの人数が揃います。アメリカのトップ大学のコーチ陣は500万から10000万円ほどの給料だと聞いてます。これはアメリカの大都市の物価を考えると決して大きな金額ではないですが、不自由なしには暮していける金額です。もちろん中には仕事を掛け持ちする監督などが下のリーグではいますが、これも資金力の問題。
では、Monroe Collegeのコーチングスタッフは何名なのか、どんな監督なのか?
Monroe College コーチングスタッフ:
監督 1名
コーチ 3名
ゴールキーパーコーチ 2名
合計: 6名
監督のMarcus Dibernardo(マーカス ダイバーナルド)さん
現在、Monroe College監督歴12年目。アメリカ人 成績:141勝-26負け-14引き分け (.818)勝率。 現在女子チームの監督でもある。
12年勤務すること、6名のコーチングスタッフ、男子と女子の監督を務めていることはプロコーチとし務めていることを推測されます。日本でも同じく、ある高校に同じ監督が長くいることでその学校のスタイとフィロソフィーが形成されやすいと考えてもいいでしょう。日本の強豪の青森山田の監督も25年以上務めているらしいです。長年コーチを勤めることによってチームは強くなる確率が上がるかもしれませんね。
以上Monroe Collegeの分析でした。
もちろんアメリカの大学のチームはアメリカ人の多いチームも多いです。しかし、強い大学はやはり海外の選手に目をつけて、多くの選手をスカウトしているのが現状です。そして、学校の方針によりスポーツに力を入れる大学は成功を収めています。ここは日本とも似ているのではないでしょうか?